IPOの直前期(N-1期)に行うことは?



株式上場準備の直前期(N-1期)には、さまざまな準備が必要です。その中でも、株主名簿管理人の選定は非常に重要なステップの一つです。

株主名簿管理人は、株主名簿の管理や配当金の支払いなど、株主に関する業務を担当する役割を持っています。選定するにあたっては、信頼性や実績などを基準に、慎重に検討することが必要です。

また、株式事務管理体制の整備も必要です。上場後は株主からの問い合わせや手続きが急増するため、スムーズに対応するための体制を整備しておくことが求められます。これは、上場審査のチェック項目にもなっています。

さらに、労務管理体制の構築にも力を入れる必要があります。社会保険労務士などの専門家の助言を得て、法令遵守や社員の待遇などについてしっかりとした体制を整えることが大切です。

最後に、取引所の上場前規制への準拠も重要なポイントの一つです。上場前規制とは、上場を希望する企業が、取引所の規定に沿って事業を行っているかどうかを審査するものです。例えば、組織体制や内部管理体制、業務プロセスの改善などがチェックされます。こうした規制に対応するためには、早期からの取り組みが必要となります。

株式上場は、企業にとって大きな転換点となります。そのため、しっかりとした準備が欠かせません。これらの準備をきちんと行い、上場後には株主や市場からの信頼を得られるよう、しっかりとした経営基盤を築くことが求められます。