「来月のトピックス、何にしよう」
経理の全体ミーティングは、月1回の定例です。中身は、いつものアジェンダと、その月のトピックスの二つ。仕切る立場になると、このトピックスを考えるのが毎月の宿題になります。
参加していたころは、聞いていればよかった。仕切る側に回ると、話す中身を毎月ひねり出さなければなりません。
週1回から、月1回になった
昔は、週1回のミーティングもありました。
いまは、リモートで働く日も多くなりました。日々の連絡や相談は、チャットで済みます。月1回にしても、とくに不便は感じていません。
ただ、それは一つの問いを生みます。日々のことがチャットで足りるなら、月1回わざわざ集まって何を話すのか。この問いに答えられないと、トピックスは毎月の思いつきになります。
チャットで足りないもの
チャットは、用件を伝えるには向いています。一方で、次のようなものは流れにくい。
一つめは、自分の担当の外の話です。チャットでは、自分あての用件しか読みません。隣の担当が今月何に追われていたかは、案外知らないままです。
二つめは、決まったことの背景です。チャットで流れてくるのは、結論だけになりがちです。なぜそう決めたのかは、話さないと伝わりません。
三つめは、全員が同じものを同じ時間に見ることです。月次決算の数字を、全員で一度に眺める機会は、集まらないと作れません。
月1回のミーティングは、この三つのための時間だと考えています。
アジェンダは型で固定する
考える負担を減らすには、考えなくてよい部分を固定することです。
通常のアジェンダは、毎月同じ並びにします。たとえば、前月の月次決算の結果、今月のスケジュール、全体への連絡。毎月の資料も、前月のものを直して使います。
こうしておくと、毎月考えるのはトピックスだけになります。
トピックスの種は、月の仕事の中にある
トピックスの種は、ゼロから考えなくても、四つの場所に落ちています。
| 種の場所 | 例 |
|---|---|
| 暦 | 年末調整、償却資産の申告、決算の準備、税制改正の公表など、その時期に来る仕事 |
| 今月のつまずき | 差し戻しが多かった伝票、支払の漏れ、締めが遅れた理由 |
| 外の動き | 法令や会計基準の改正、他社の不正事案の報告書 |
| 誰かの担当業務 | ふだん見えない担当の仕事を、本人に10分で紹介してもらう |
暦の種は、1年分を先に並べておけます。12か月の表を一度作れば、毎年使い回せます。
今月のつまずきは、責める場にしないことが前提です。誰がやったかではなく、どこで起きたか。仕組みの話として出します。
外の動きは、経理の全員に関わるものを選びます。新しいリース会計基準のように、何年もかけて準備するものは、何度か分けて扱えます。
誰かの担当業務は、チャットで足りないものの一つめに、そのまま答えます。準備を頼むので、本人の負担には気をつけます。
一人で考えない
仕切る側が、トピックスを毎月一人で考える必要はありません。
暦の種は表に任せる。つまずきは、月の途中でメモしておく。担当業務の紹介は、持ち回りにする。そうすると、仕切る側の仕事は、四つの種から一つを選ぶことに変わります。
そのかわり、持ち回りにすると、話す人によって準備の濃さに差が出ます。そこは、事前に10分だけ相談に乗るなどして、ならしていきます。
まず、この1か月のチャットを見返してください
次の定例の前に、この1か月の経理のチャットを見返してみてください。
同じ質問が、別の人から二度出ていないか。二度出た質問は、全員が知っておくべきことです。それが、来月のトピックスの第一候補になります。
