仮払い・仮受けの放置が招く決算トラブル

「仮払金、とりあえず計上しといて」。この「とりあえず」が積み重なると、決算のときに地獄を見ます。

私の経験では、前任者が3年間放置した仮払金が決算直前に発覚して、残業続きで原因を調査したことがあります。あのときの教訓をまとめます。

仮払金・仮受金とは

仮払金は、用途や金額が確定する前にとりあえず支払った場合に使う科目。仮受金は、内容不明の入金があったときに使う科目です。どちらも「一時的な仮置き」のための科目であって、長期間残してはいけないものです。

放置するとどうなるか

  • 残高が膨らんで実態が不明になる

  • 税務調査で「これは何ですか?」と聞かれて答えられない

  • 担当者が変わると原因追跡が困難になる

  • 最悪、架空計上や使途不明金として問題になる

現場でやるべき管理ルール

① 発生と同時に内容をメモする

仮払金を計上したら、必ず補助科目か摘要欄に「誰が・何のために・いつ精算予定か」を記録します。

② 月次で残高をチェックする

月次決算のチェックリストに「仮払金・仮受金の残高確認」を必ず入れましょう。3ヶ月以上残っているものは要注意です。

③ 期末に必ず整理する

決算前に残っている仮払金・仮受金は、全件内容を確認して振替処理します。どうしても不明なものは、上長に報告の上で処理方針を決めます。

今月の試算表で、仮払金を見ておく

3年分の仮払金を決算直前に調べ直す作業は、発生したときにメモを一行残していれば要らない仕事でした。今月の試算表で仮払金と仮受金の残高を開き、3か月以上動いていないものがないかを確かめておくと、決算で地獄を見ずに済みます。