部下が月次決算を締めたあと、マネージャーは何を確認するか——freee活用版

「締めました」と報告を受けたとき、何を見ればいいか——これを体系化できているマネージャーは、意外と少ないです。

感覚と経験に頼っていると、属人的なレビューになり、人が替わったときに機能しなくなります。freeeを使っている環境であれば、確認ポイントを絞り込んで効率よくレビューできます。今回は私がやっているチェックの流れを、そのまま共有します。

ステップ① 損益の「前月比・前年同月比」を30秒で確認する

freeeのレポート画面から損益計算書を開き、まず数字全体を眺めます。細部に入る前に、異常な動きがないかを直感で捉えるためです。

見るべきは「変動幅が大きい勘定科目」です。前月比で±20%以上、あるいは前年同月比で明らかにズレている科目があれば、そこから深掘りします。

freeeでは表示期間を切り替えるだけで前期比較ができるため、この確認は1〜2分で終わります。

ステップ② freeeの「未処理の取引」を確認する

連携している銀行・クレジットカードの明細で、自動取得されたまま未登録になっている取引が残っていないかを確認します。

部下が「締めた」と言っても、この未処理が残っていると数字が完結していません。freeeのホーム画面やレポートに警告が表示されている場合は、そこから確認します。

「件数ゼロ」を確認してから、次のステップに進みます。

ステップ③ 残高の整合性を確認する

以下の4点は必ずチェックします。

現預金 — freeeの残高と通帳・ネットバンキングの残高が一致しているか。連携ズレや手入力ミスがここに出ます。

売掛金・買掛金 — 前月末との増減が、今月の売上・仕入の動きと整合しているか。滞留している債権・債務がないかも確認します。

未払費用・前払費用 — 月次で計上しているはずの費用(家賃、保険料、リース料など)が抜けていないか。freee上で定期的な仕訳をテンプレート化している場合は、実際に起票されているかを確認します。

仮払金・仮受金 — 残高がある場合は内容を必ず確認します。ここは放置されやすい場所です。

ステップ④ 高額・異例の仕訳を目視する

freeeの仕訳帳から当月分を絞り込み、金額の大きいものや勘定科目が普段と違うものを目視します。

すべての仕訳を見る必要はありません。「件数で上位10件」「金額で上位10件」を確認するだけで、入力ミスや科目誤りの多くは発見できます。

freeeでは仕訳帳のソートが簡単にできるため、金額の大きい順に並べ替えて確認するのが効率的です。

ステップ⑤ 部下へのフィードバックを一言で残す

確認が終わったら、問題なければ「OK」、修正があれば「〇〇の仕訳を直してほしい」と一言、チャットやコメントで残します。

freeeはメモ・コメント機能があるので、仕訳単位でやり取りを残すことができます。後から「誰がどこを直したか」が追えるようにしておくと、次月以降の指導にも使えます。

チェックにかける時間の目安

慣れれば、通常月は15〜20分で終わります。それ以上かかるなら、部下の処理に問題が多いか、チェックの粒度が細かすぎるかのどちらかです。

マネージャーのレビューは「全部見ること」ではなく「異常を見つけること」です。この視点を持つだけで、チェック時間は大幅に短縮されます。

まとめ

✅ まず損益全体の前月比・前年同月比を30秒で眺める ✅ freeeの未処理取引がゼロであることを確認する ✅ 現預金・売掛買掛・未払費用・仮払金の残高整合性を確認する ✅ 高額・異例の仕訳上位10件を目視する ✅ フィードバックはfreeeのコメントで仕訳に紐づけて残す

レビューを仕組み化すると、部下は「何を意識して締めればいいか」が明確になります。チェックする側の視点を共有することが、そのまま育成につながります。


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