「日本一のおもてなし集団」を目指す一家ダイニングプロジェクトとは?



「居酒屋は楽しむ場所だ」と強調する武長太郎社長が語っている。

「僕らは『日本一のおもてなし集団』っていうのを掲げてます。笑顔で元気でフレンドリーな人材を育てています。その人材が博多劇場というブランドで、すごく生きているんだと思います。ほとんどの会社はオーダーがタッチパネルになったりビールを機械がつくったり、どんどん人を介さないシステムになっています。その逆を行こうと」

「博多劇場は5年前から比べると段階的に客単価を下げてきました。何を今一番意識しているかというと、来店頻度です。客単価をあげていくと来店頻度が下がってしまう。週1で来ていただく人を週2来ていただくためにメニュー構成や企画を考えます」

「20年間、外食史を見てきて、ブームをつくった人は全部だめになっています。僕はブームは作らない。模倣されますから。我々は目立たないように、着実に元気なお店を出していきます。人が差別化になっているんで、まねできません」

「宴会の部分で非常に新型コロナの影響が出ています。場所や業態でまちまちですが、全体としては7割(3割減)くらい。博多劇場は8割くらいです。2月まではそこまで悪くなかったのですが、3月に入ってから急激にです」

「一番怖いのは習慣化。家に帰って静かに暮らすことが習慣化することです。外で対人のコミュニケーションを交わすことをやめて、家でユーチューブやネットフリックスを見る、みたいな。長引けば長引くほどそういう習慣がついてしまう可能性が高い」

<ひとこと>

一家ダイニングプロジェクトは、2020年3月に東証一部に昇格しました。現在の時価総額は33億円です。

今期2020年3月期の会社予想は、売上高82億、営業利益3億円ですが、コロナ影響で下方修正は免れないでしょう。

社長が言うように「家飲みの習慣化」がついてしまうと、居酒屋業界は厳しくなりますね。