CFOを目指すということ

CFOを目指すということ
CFO(最高財務責任者)は、企業の財務戦略をリードする重要なポジションです。経理や財務の知識をベースに、経営陣の一員として企業の方向性を決める責任を負います。経理パーソンとしてのキャリアをスタートさせ、最終的にCFOに到達するには、専門的なスキルや知識を磨くことはもちろん、ビジネス全体を見渡す視野やリーダーシップも不可欠です。では、CFOを目指すためには、どのようなキャリアパスが有効なのでしょうか?
キャリアの選択肢
経理パーソンがCFOを目指す際に、どのような道を選べばよいのか悩むことは多いでしょう。私自身も、初めて「CFO」という役職を意識したのは、経理職として入社して数年が経った頃です。当時の私は、経理部門のリーダーとして部下を指導する一方で、会社全体の財務状況を理解するためにさまざまな業務に挑戦していました。しかし、ふと「このまま経理のスキルだけを追求していて、本当に経営に携わることができるのだろうか?」と疑問を感じるようになりました。
この疑問に答えるべく、私は経理の枠を超えて、経営や財務の知識を身につけることが必要だと気づきました。CFOを目指すには、経理だけでなく、経営や戦略的な視点も持たなければならないのです。例えば、M&Aや資金調達の経験、企業の成長戦略に携わる機会を得ることが、CFOへの道を切り開く一歩となるでしょう。
経理パーソンとしてやるべきこと
CFOを目指す上で、経理パーソンとしてまず取り組むべきは、専門知識の深掘りです。財務会計や税務の知識はもちろんのこと、コスト管理やキャッシュフローの最適化に関するスキルも重要です。また、現場での実務経験を積むことも欠かせません。例えば、あるプロジェクトで私が経験したことですが、新しい会計システムを導入する際、チームのリーダーとしてプロジェクトを遂行する責任を負いました。この経験を通して、技術的な知識だけでなく、チームを動かし、成果を出すためのリーダーシップも鍛えることができました。
さらに、最近ではITツールの活用がますます重要になっています。デジタルトランスフォーメーション(DX)が進む中で、経理の仕事も高度にシステム化されつつあります。RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)やAIを活用して業務を効率化することが求められます。こうした技術に精通し、適切に導入する能力は、将来的にCFOとして活躍するための大きなアドバンテージとなるでしょう。
経営者としての視点を養う
CFOを目指すためには、経理・財務の知識だけでなく、経営者としての視点を養うことが必要です。財務データを基に、どのように企業を成長させるか、リスクを管理するか、といった経営判断を行う力が求められます。私が印象に残っているエピソードとして、ある経営会議で、当時のCFOが会社の資金繰りに関する大胆な提案を行った場面があります。その提案は、リスクを伴うものでしたが、経営者としての深い洞察と信念に基づいたもので、結果的に会社の成長を後押しする決断となりました。このような場面に立ち会ったことで、私は経営者としての視点の重要性を強く感じました。
コミュニケーション能力の重要性
CFOとして活躍するためには、財務データを適切に分析する能力だけでなく、それを経営陣や他のステークホルダーにわかりやすく伝えるコミュニケーション能力も欠かせません。経営の判断材料となるデータを、単に数字として説明するのではなく、ビジネスの成長やリスク管理にどのように影響を与えるかを説明する力が求められます。
例えば、ある時、私が会社の経営陣に向けて財務報告を行った際、単なる数字の報告ではなく、それがどのように今後の戦略に影響を与えるか、具体的なシナリオを交えて説明しました。その結果、経営陣はより深い理解を持ち、戦略的な決断を下すことができました。このような経験から、コミュニケーション能力がCFOにとっていかに重要かを実感しました。
まとめ
CFOを目指すためには、経理や財務の専門知識を磨くだけでなく、経営者としての視点やリーダーシップ、そしてコミュニケーション能力を身につけることが不可欠です。キャリアの中で積極的に新しい経験やチャレンジを取り入れ、自身を成長させることが、CFOへの道を切り開く鍵となるでしょう。経理パーソンとしての次のステップを考える際、これらの要素を意識してキャリアを形成していくことが重要です。