債務超過にあるUQモバイルが大量のCMを打てる理由とは?
「UQモバイル」だぞっ!
テレビを見ていると格安SIMサービスを提供している「UQモバイル」のCMが大量に流れています。
「ガチャピンとムック」がやっているCMと言えばピンとくるのではないでしょうか。
UQ社について
この「UQモバイル」サービスを展開している会社は、「UQコミュニケーションズ株式会社」という会社です。
「UQコミュニケーションズ株式会社(以下、UQ社)」には、もうひとつ「UQ WiMAX」という高速通信データサービスがありまして、こちらはけっこう有名です。
周りで使用している人も知っています。
UQ社の株主
この会社の特徴としては、主要株主に、KDDI、JR東日本、京セラ、大和証券といった超大手企業が並んでいることです。
なかでも、KDDIは、議決権の32.3%を保有している筆頭株主であり、KDDIはUQ社を連結子会社としています。
ということで、KDDIの有価証券報告書を調べてみると、いろいろとわかってきました。
UQ社の大きなバックの存在
まず、UQ社の資本金は、714億円です。(UQ社の公式サイトでは、「資本金および資本準備金」として1420億円という記載をしていますが。)
そして、私が一番興味をもった箇所がこちらです。
なお、UQコミュニケーションズ株式会社は、連結財務諸表に重要な影響を与えている債務超過の状況にある会社であり、債務超過の額は、505億円であります。(一部省略)
これはUQ社が発行している一部の優先株式が、IFRS(国際財務報告基準)では金融負債として扱われるためとのこと。
UQ社は2009年に増資を行っており、KDDIをはじめとした株主が債務超過を埋めるために総額300億円の引き受けをしていますので、おそらくこのことを指しているのでしょう。
このとき、KDDIは持ち分比率以上の増資引き受けをしています。
また、KDDIは、UQ社の債務保証もしていますので、かなりの力のいれようだということがわかりました。
UQ社の財務諸表
以下は、UQ社単体の財務諸表です(2016年3月期)。
<BS>
総資産 2,369億円
負債 2,874億円
純資産 ▲505億円
<PL>
売上高 1,920億円
当期利益 390億円
UQ社の利益
予想以上にUQ社の利益が出ていることに驚きました。
しかし、2015年3月期の売上高は1289億円、当期利益は28億円ですので、なにかウラがありそうな予感がします。
もう少し調べる必要がありそうですね。
何はともあれ、KDDIがバックについているから、あれだけのCMが出稿できていると考えて間違いないでしょう。
今後も要注目です。