高校生でも公認会計士になれるのか。
答えは半分だけイエスです。試験には受かれます。けれども、合格したその日から公認会計士を名乗れるわけではありません。
受験資格は、ない
公認会計士試験には、受験資格の制限がありません。
公認会計士・監査審査会のQ&Aにも、そう書かれています。年齢、学歴、国籍等にかかわらず、どなたでも受験できる。高校生でも、中学生でも出願はできます。
2025年の最年少合格者は16歳
2025年の公認会計士試験の合格者は、1,636人でした。審査会の「令和7年公認会計士試験 合格者調」の数字です。最年少は16歳、最年長は54歳です。
20歳未満の合格者は26人いました。目を引くのは、論文式試験まで進んだ20歳未満の合格率です。47人が受けて、26人が受かりました。
55.3%で、年齢区分の中でいちばん高い数字です。
全体では35.1%なので、若い受験者ほど論文式を一気に抜けている計算です。
ただし、20歳未満には大学生も含まれます。この数字がそのまま高校生の合格率というわけではありません。
合格しても、すぐには公認会計士になれない
公認会計士になる資格は、公認会計士法第3条が定めています。条件は三つです。
| 条件 | 中身 |
|---|---|
| 試験に合格する | 短答式と論文式の公認会計士試験 |
| 業務補助等が3年以上 | 監査の補助や、財務の実務に従事した期間(第15条) |
| 実務補習を修了する | 実務補習団体等での修習と、内閣総理大臣の確認(第16条) |
業務補助等の期間は、試験の合格の前後を問わず通算できます。それでも、高校生が合格前から監査の現場で働くことは、まずありません。合格してから、少なくとも3年はかかります。
さらに、同法第4条第1号は、未成年者は公認会計士になれないと定めています。民法では18歳から成年です。16歳で受かった人は、条件がそろう日と成年になる日の、遅いほうを待ちます。
監査に来る若手の名刺は「準会員」だった
経理の側から見ると、この違いは監査の現場で目にします。
大手の上場企業にいたころ、毎年、監査法人から若手が送り込まれてきました。とても若い人たちです。最初の仕事は、たいてい現金や有価証券の実査でした。
受け取った名刺の肩書きは「日本公認会計士協会準会員」でした。協会の会則は、公認会計士を「会員」、試験に合格した人を「準会員」と分けています。日本公認会計士協会会則の第4条です。
準会員の名刺は、試験には受かったが、まだ公認会計士ではないという印です。
試験に受かることと、名乗れること
高校生でも公認会計士になれるのか。
試験の扉は、年齢を問わず開いています。けれども公認会計士を名乗るには、実務の3年と成年という、二つの時間が要ります。16歳の合格者が本当に公認会計士になるのは、早くても20歳前後のことです。
