直近12か月という考え方のメリットは?
区切りは12月と3月だけ?
通常、1年間の区切りがあるのが12月と3月です。12月は暦年の最終月であり、3月は年度の最終月となります。企業の決算月も、この2つのどちらかの月であることがほとんどです。
この場合、たとえば、いまが8月だとすると、暦年ベースでは8か月間であり、年度ベースでは5か月間ということになります。
直近12か月という考え方
しかし、私が最近メリットを感じるようになったのが、直近12か月という考え方です。
さきほどと同じように、いまが8月だとすると、昨年の9月からの12か月間となります。この考え方では、いつでもその月を基点として12か月間を区切ることができます。
いつでも最新、その日からスタート
決算書を作成するときも、この考え方を適用すると、季節変動による影響が排除することができるので、決算期が異なっていても比較がしやすくなります。しかも、その12か月はいつも最新データなのです。
わたしたちが将来の計画を立てるときや過去を振り返るときに、どうしてもカレンダーや年度ベースを基準に考えてしまいます。たとえば、「2016年の目標」や「小学1年生の学習計画」などです。そうすると、1月や4月にしか、計画を立てないことになります。
本当はそうではないと思うのです。スタートはいつの日でもよいのです。
思い立ったときに、これまでの12か月を振り反って、これからの12か月を考えていきましょう。
TTM
この直近12か月は、海外の決算書や株式市場ではよく使われており、英語ではTTM(Trailing Twelve Month)と言います。たとえば、「ROE(TTM)」と表示されていれば直近12か月の利益をROEを出していることになります。