経理アウトソーシングを、受ける側と頼む側の両方で経験しました。
受ける側では、記帳代行、月次決算、決算補助、開示業務を担当していました。頼む側として、外部に業務を出したこともあります。
両方に立ってみると、「期待を超える」の中身がよく見えます。
頼む側が求めるのは、まず安定
頼む側として求めていたのは、二つだけでした。安定した品質と、それに見合った委託料です。
毎月、同じ精度の数字が、同じ日に返ってくる。その品質に対して、納得できる料金である。安いことより、見合っていることが大事でした。
これは、期待を超えてほしいという話ではありません。期待どおりであってほしい、という話です。
期待を「満たす」と「超える」は別物
安定した品質は、期待を満たすための土台です。毎月そこに届いていれば、頼む側は安心して任せられます。
けれども、それだけでは期待を超えたことにはなりません。言われたことを、言われたとおりに返しているだけだからです。
期待を超えたのは、提案が採用されたとき
受ける側で、期待を超えられたと思えた瞬間があります。自分から出した提案が、採用されたときです。
たとえば、業務フローの変え方の提案です。自分がそれまでに積んできた知見を、顧客の仕事に持ち込むこともありました。
受ける側は、頼む側の会社の中にいません。外から見ているからこそ、気づける無駄があります。社内では当たり前になっている手順の無駄です。その気づきを言葉にして渡せたとき、単なる作業の代行から一歩外に出られます。
提案は、安定の上でしか聞いてもらえない
二つの立場をつなぐと、順番が見えてきます。
品質が安定しない委託先から、業務フローの提案が来たとします。頼む側はまず、目の前のミスを直してほしいと思うはずです。毎月の品質で信頼を得て、はじめて提案に耳を傾けてもらえる。
期待を超えるために必要なのは、安定と提案の両方です。そして、順番は安定が先です。
定例会の記録で、提案の数を数える
外部に経理業務を頼んでいる会社なら、委託先との定例会の記録を開いてみてください。数えるのは、この半年に委託先から出てきた提案の数です。
ゼロなら、その委託先は期待を満たしてはいても、まだ超えてはいません。
