ホテルニューオータニの財務諸表はどうなっているのか?(「歴史ある巨大ホテル、ホテルニューオータニの運営の裏側と、優秀なホテルマンの条件」)



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「歴史ある巨大ホテル、ホテルニューオータニの運営の裏側と、優秀なホテルマンの条件」

Business Journal

http://biz-journal.jp/2013/06/post_2330.html

要約

ベル係というのは、お客さまがチェックインされた時にお部屋までご案内するのが主な仕事ですが、ホテル内のありとあらゆる場所をご案内することも重要な仕事なので、どこに何があるか、その場所を覚えていなければなりません。

ホテルニューオータニは東京サミットやアフリカ開発会議の会場になるなど、多くのVIPが宿泊されます。その一人ひとりに対して、バトラーのような役割を担う“接伴員”が付き、その要人が朝お目覚めになってから夜お休みになるまで、ホテルにいる間は客室の中以外では常にご一緒し、ご案内します。

ホテルニューオータニの特徴として、三世代が集まって一緒にご利用いただくお客さまの割合が非常に多いのです。特にお正月やお盆、ゴールデンウイークの時期など、三世代のご家族が揃うときにはホテルニューオータニを利用しようという使い方をしてくださるお客さまが多いのが特徴です。私どもは、こういうご利用のされ方を重視しています。

ひとこと

縁あって、約20年ぶりにホテルニューオータニのラウンジでコーヒーを飲んできました。もちろん、パワースポットでもある日本庭園も散策しました。

運営会社である「株式会社ニュー・オータニ」は非上場企業ですが、有価証券報告書提出会社なんですね。さっそく、2017年3月期の決算書をEDINETでダウンロードしてチェックしてみました。

主な財務数値は、以下の通り。連結売上高 678億円、営業利益 63億円、経常利益 71億円、当期純利益 65億円。総資産 1,962億円、純資産 659億円(うち、利益剰余金 336億円)。営業CF 76億円、投資CF ▲8億円、財務CF ▲91億円。

従業員数は約2,000人。単体は約1,300名で、平均年収530万円。

広大な日本庭園があるホテルニューオータニ本館の土地(約1万坪)は、簿価1,040億円。この土地は、2005年に逆さ合併という手法で、1,000億円の含み益を顕在化させています。企業結合会計基準の適用前というタイミングを狙って処理するような狡猾さをもった会社でもあるようです。

驚いたのが、役員が19名(取締役16名・監査役3名)もいるということ。しかも、女性はゼロです。社外取締役として、大成建設、サントリーHD、新日鉄住金、パナソニック、JFEホールディングス、伊藤忠商事、アサヒグループHD、日立製作所、JTB、サッポロHDなどの有名企業の重鎮が顔をそろえています。

いろいろなお付き合いが必要となるホテルという業種からくる特色なんでしょうね。取締役会の日程調整だけでも大変そうです。

会計監査人は、「青南監査法人」というマイナーな監査法人です。なんと、公式サイトも作っていないようです。検索して分かったのは、監査法人売上高ランキングで39位であることぐらいでした。

あとがき

ホテルオークラ東京、帝国ホテル東京、ホテルニューオータニは、ホテル業界の「御三家」と言われています。

中学受験の「御三家」といえば、男子の「開成・麻布・武蔵」、女子の「桜蔭・女子学院・雙葉」です。

そもそも「御三家」という言葉は、江戸時代に徳川将軍家に連なる尾張徳川家・紀州徳川家・水戸徳川家が別格扱いされたことに由来するとのこと。