経理部門の中途採用、その光と影
経理部門の中途採用、その光と影
「経理の仕事は、どこでも同じでしょ?」
転職活動中の私が、よく耳にした言葉だ。確かに、簿記や会計ソフトの知識、決算処理の経験といったスキルは、どの会社でも通用するだろう。しかし、転職を経験した今、私は声を大にして言いたい。
「経理の仕事は、会社によって全く違う!」
転職の成否を分けるのは、スキルよりもむしろ「社風」との相性なのだ。今回は、私の実体験を交えながら、経理部門の中途採用の実態と、転職を成功させるための秘訣をお伝えしたい。
エピソード1:大手メーカーからベンチャー企業へ
新卒で入社した大手メーカーでは、経理部門は分業体制が徹底されていた。私は売掛金担当として、日々請求書の作成や入金消込に追われていた。ルーティンワークが多く、やりがいを感じられずにいた私は、30歳を目前に転職を決意した。
転職先は、急成長中のベンチャー企業。経理部門は少人数で、一人ひとりが幅広い業務を担当していた。私は、売掛金管理だけでなく、買掛金管理、月次決算、年次決算、さらには資金調達まで経験することになった。
最初は戸惑うことも多かったが、次第に仕事の面白さに目覚めていった。経営陣との距離も近く、自分の仕事が会社の成長に直結していることを実感できた。会社の急成長に伴い、経理部門も拡大。私はメンバーの育成にも携わり、マネジメントスキルも身につけることができた。
エピソード2:外資系企業で味わったカルチャーショック
ベンチャー企業での経験に自信を深めた私は、さらなるスキルアップを目指して外資系企業に転職した。しかし、そこで待っていたのは、想像以上のカルチャーショックだった。
外資系企業では、結果が全て。成果主義の文化が根付いており、常に数字で評価されるプレッシャーに押しつぶされそうになった。また、英語でのコミュニケーションが必須で、慣れないうちは苦労した。
それでも、必死に食らいついていくうちに、徐々に成果を上げられるようになった。グローバルな視点で仕事ができるようになり、英語力も飛躍的に向上した。
転職を成功させる3つの秘訣
2度の転職を経て、私が学んだ転職を成功させるための秘訣は、以下の3つだ。
- スキルだけでなく、社風との相性を重視する
経理の仕事は、会社によって業務内容や求められるスキルが異なる。事前にしっかりと情報収集を行い、自分のスキルや経験が活かせる会社を選ぶことが重要だ。また、社風との相性も大切だ。面接やOB訪問を通じて、会社の雰囲気や価値観を把握するようにしよう。
- 自分のキャリアプランを明確にする
転職活動では、自分のキャリアプランを明確に伝えることが重要だ。将来どのようなキャリアを築きたいのか、転職によって何を達成したいのかを整理しておこう。
- 常に学び続ける姿勢を持つ
経理の世界は常に変化している。新しい会計基準や税制改正に対応するため、常に学び続ける姿勢が求められる。資格取得やセミナー参加など、自己啓発にも積極的に取り組もう。
まとめ
経理部門の中途採用は、スキルだけでなく、社風との相性も重要だ。自分のキャリアプランを明確にし、常に学び続ける姿勢を持つことで、転職を成功させ、さらなるキャリアアップを目指してほしい。