経理部から見た監査法人、その本音と組織内会計士の活用術
経理部から見た監査法人、その本音と組織内会計士の活用術
「また監査の季節か…」。経理部員なら誰もが一度は心の中で呟いたことがあるのではないでしょうか。監査法人とのやり取りは、経理部の業務の中でも特に負担が大きいものです。今回は、経理部が監査法人をどう見ているのか、監査対応の何が大変なのか、そして社内にいる組織内会計士をどう活用すればいいのか、具体的なエピソードを交えながら解説します。
経理部員の本音:監査法人は「ちょっと怖い存在」
監査法人は、企業の会計処理が適正かどうかを厳しくチェックする存在です。そのため、経理部員にとっては「ちょっと怖い存在」というイメージがあります。監査で指摘を受けると、修正作業が発生したり、場合によっては過去の会計処理まで見直す必要が出てくることもあります。
例えば、私の勤めていた会社では、ある年の監査で、売上計上のタイミングについて監査法人から指摘を受けました。過去の取引を一つ一つ確認し、修正仕訳を入力する作業は膨大な時間を要し、経理部員たちは連日残業を強いられました。
監査対応の何が大変?「資料作成」と「説明責任」
監査対応で最も大変なのは、何と言っても「資料作成」です。監査法人から要求される資料は多岐にわたり、しかも細かい点まで正確性が求められます。例えば、ある取引の根拠資料として、契約書、請求書、領収書、社内稟議書など、様々な書類を提出する必要があります。
また、資料を作成するだけでなく、監査法人に対して「説明責任」を果たすことも重要です。監査法人からの質問に対して、的確かつ分かりやすい説明をする必要があります。場合によっては、監査法人の質問意図を汲み取り、追加で資料を作成することも求められます。
組織内会計士の活用方法:「頼れる相談役」としての存在
監査対応の負担を軽減するためには、社内にいる組織内会計士を「頼れる相談役」として活用することが有効です。組織内会計士は、経理部の一員として、日頃から会社の会計処理や内部統制に精通しており、監査法人とのやり取りをスムーズに進めるためのアドバイスやサポートを提供してくれます。
例えば、私の経験では、監査法人から要求された資料の内容について、組織内会計士に相談したところ、監査法人が特に重視するポイントや、過去の監査で指摘された事項などを教えてもらい、効率的に資料を準備することができました。また、監査法人からの質問に対して、組織内会計士が同席して説明してくれたことで、安心して対応することができました。
組織内会計士に相談するメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 監査対応の事前準備(資料作成、内部統制の整備など)のアドバイス
- 監査法人との折衝(質問対応、説明など)のサポート
- 監査後のフォローアップ(監査調書の作成、改善提案など)の支援
- 監査法人との良好な関係構築の促進
まとめ:組織内会計士を「防波堤」に
監査法人とのやり取りは、確かに大変なものです。しかし、組織内会計士をうまく活用することで、監査対応の負担を軽減し、スムーズに進めることができます。組織内会計士を「防波堤」として、監査法人の要求や質問に対して、適切に対応していくことが重要です。