『管理会計の仕組みと実務がわかる本』を経理の側から読む。予算はP/Lだけで足りるか(陸王のこはぜ屋にも)

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管理会計の入門書を、2018年に一冊読みました。梅澤真由美氏の『今から始める・見直す 管理会計の仕組みと実務がわかる本』です。

きっかけは、公認会計士の武田雄治さんのブログでの紹介です。Amazonでは売り切れで、1か月待ち。都内の大手書店に行って手に入れ、帰り道の喫茶店で通して読みました。

以下は、そのときの感想です。

どんな本か

著者は監査法人の出身で、事業会社の中の会計士として十数年働いてきた人です。

予算の作り方、月次の分析、四半期の予測、部門別損益、KPI、仕組みづくり。管理会計の実務を、ひととおり平易に説明しています。

入門者向けに書かれているので、経験者なら2時間ほどで全体をつかめます。分かりやすく、理解が深まる内容で、もう一度じっくり読もうと思いました。

参考になったところ

とくに参考になったのは、予算と実績を比べる様式です。

数字をどう並べ、どこを見るか。その見方として「ロジックチェック」と「ストーリーチェック」が示されています。すぐに実務で試せる考え方でした。

「出来事カレンダー」というものも気になりました。こちらは、ひな形を載せてほしかったところです。

予算は、損益計算書だけで足りるか

一方で、引っかかったところもあります。予算づくりはP/L(損益計算書)だけでよい、という書きぶりです。

入門者向けとして、割り切ったのだろうと思います。けれども、管理会計の経験がある人なら、必ず悩むことがあります。P/L、B/S、C/Fの3表を、Excelでどうつなげて回すかです。

もちろん、中心はP/Lです。それでも、設備投資の枠を決めるには、B/SとC/Fの予算が欠かせません。借入金をどこまで減らすかを考えるときも同じです。

ぜひ次は、中級者向けの本を書いてほしい。読み終えて、そう思いました。

その後、同じ著者が2021年に『投資評価の仕組みと実務がわかる本』を出しました。私はまだ読んでいませんが、設備投資の判断を扱う本のようです。

陸王のこはぜ屋にも

この本を読んだころ、TBSのドラマ『陸王』を勧められて、第1話を見ました。2017年の秋に放送され、話題になっていたドラマです。

主演の役所広司さんがとてもいい味を出していて、まんまと感動してしまいました。続きを見たいのですが、全話を見る時間がとれないのが悩みです。

倒産寸前の足袋屋、こはぜ屋さん。その奮闘を見ながら思いました。こはぜ屋にも、予算管理のような管理会計の仕組みを取り入れてほしい、と。