伊藤忠商事が日吉に作った社員寮の特徴は?



伊藤忠商事

伊藤忠商事株式会社は、1949年設立の総合商社です。

現在の時価総額は3.2兆円で、三井物産と並ぶ総合商社2位です。1位は、三菱商事で5.0兆円。

そんな伊藤忠商事が、この時代に社員寮を作ったことで話題になっています。

<最新の有価証券報告書(2018年3月期)>
https://www.itochu.co.jp/ja/files/security_94.pdf

日吉の社員寮

伊藤忠商事が社員寮を新設したのは、2018年3月。場所は、神奈川県横浜市港北区箕輪町。

最寄駅は東急東横線の「日吉」。駅から徒歩3分という好立地です。

伊藤忠本社の最寄駅は東京メトロ銀座線「外苑前」ですので、ドアツードアで40分程度でしょうか。

物件は、7階建てで、戸数361戸。

いままであった4つの社員寮(借り上げマンション)から移ってきた人々と、2018年入社の新入社員とで、すでに約250人が入居しているとのことです。

新入社員が対象

原則として、新入社員全員を社員寮にいれる方針ということです。

総合職の採用実績 をみると、平均130名程度です。

2016年度 141名(文122、理19)
2017年度 143名(文120、理23)
2018年度 128名(文106、理22)

しかし、今回の社員寮は「独身男性専用」となります。

女性や既婚者を除くと、おそらく入寮対象者は新入社員の7-8割だと思われます。したがって、100名弱が毎年入居するわけです。

また、入社4年目までという入居制限もあります。これには、5年目以降は国内・海外のどこかへ異動するいう前提があるようです。

社員寮の家賃は、なんと月15,000円(食費除く)と格安です。ここに入居出来ない新人女性にも同程度の家賃補助の制度があるのか気になるところです。

社員寮をつくった目的

「ひとつ屋根の下」の一体感を高めて、仕事に役立てることだと言っています。

伊藤忠は、とにかく所帯が大きい会社です。現在の従業員数は、4,285名。これは本体だけの数字です。伊藤忠連結グループでは、10万人を超えています。

まず、同期の顔と名前を覚えるだけで苦労しそうですので、同じ社員寮で寝起きすることで自然と顔見知りになるという効果は大きいと思います。

社員寮の特徴

主な特徴は3つ。

まずは、約18平米の居室にトイレ・シャワーブース、ミニキッチン、ミニ冷蔵庫があること。個人のプライバシーを重視する人でも大丈夫なように、居室だけで最低限の生活はできるようになっています。ビジネスホテルのイメージです。

そして、寮長として伊藤忠OBの2名が交代で勤務していること。OBは65歳以上ということなので、20代の新入社員にとっては自分の父親より上の世代ですが、会社のことを熟知している先輩ですから心強い味方になってくれそうです。ちなみに、現在の伊藤忠商事の社長である鈴木善久氏が昭和30年生まれの64歳ですから、社長の噂話も聞けるかも知れません。

特徴の3つ目が、管理栄養士が作った夕食メニューが約400円で食べられること。社員の食生活に配慮しています。とくに若手社員は、ファストフードやコンビニ弁当の世話になりがちですが、手ごろな価格で健康によいものがあるのなら、自然とそちらを選ぶはずです。

あとがき

私も新入社員時代に、寮みたいな一棟借り上げのマンションに住んでいたことがあります。

しかし、マンション自体は普通の作りなので、共有スペースや夕食の提供等はありませんでした。

それでも、同期と楽しい時間を過ごせた思い出がありますので、伊藤忠の新入社員は恵まれていますね。

追記

後日、慶応義塾大学の日吉キャンパスに行く用事があったので、ついでに伊藤忠日吉寮の建物を見てきました。(残念ながら、建物内には入れませんが。)

日吉駅から3分の立地なので、すぐに分かりました。隣が消防署で、逆サイドにはコンビニもあります。東横線の車内からも視認できました。

事前にWEBにある写真で見てはいましたが、自分の目で見た現物は予想以上に立派な建物でした。「伊藤忠」ロゴの看板があり、会社アピールもばっちりです。