どうしてIFRS営業利益ではなく事業利益を使うのか?(ファミマ業績予想の利益指標変更)



ピックアップ

「業績予想の利益指標変更に関するお知らせ」

ユニー・ファミリーマートホールディングス株式会社

平成30 年7 月12 日

http://www.fu-hd.com/company/news_release/fuhd/20180712_release.pdf

要約

従前より連結業績予想の利益指標として表示しておりました「営業利益」は、「営業総利益」から「販売費及び一般管理費」、「持分法による投資損益」、「その他の収益」及び「その他の費用」を加減算したものであり、同業他社との比較可能性を高めることを目的に、当連結会計年度より、表示を取り止めることといたしました。

なお、平成30 年2月期第3四半期より自主的に開示しております「事業利益」は、「営業収益」から「売上原価」並びに「販売費及び一般管理費」を控除した小売業において本業の事業活動を通じて稼得される利益指標であり、過年度に実施した経営統合及び事業再編が一段落したことを受け、「事業利益」を当社の業績管理における重要な指標として位置付けているものであります。

ひとこと

IFRSに関心がある方には興味があるリリースではないでしょうか。

今回の結果として、業績予想のみではなく、財務諸表のPL本表からも「営業利益」という段階利益が消えることになりました。

「事業利益」を使う理由は「同業他社との比較可能性を高めるため」だと言います。

それもそのはず、コンビニ業界大手3社の適用する会計基準は以下のとおり、ファミマ以外は日本基準を使っているからです。除却損や減損損失等が含まれるIFRS営業利益と、日本基準の営業利益を比べないでほしい、ということでしょう。

ファミマ IFRS(2017年2月期決算より適用)
ローソン 日本基準(2018年2月決算短信でもIFRS適用予定なしと明記)
セブン 日本基準(2018年2月期決算短信でも当面は日本基準を適用と明記)

IFRS適用企業では、この「事業利益」という段階利益を使う企業が増えていると感じています。(旭硝子、キリン、味の素、LIXILなど)

あとがき

うちから一番近いコンビニは、ファミマということもあり、よくファミマを利用しています。

最近はイートインのスペースがあるファミマが多くなり、ちょっと休憩&スマホ充電にも使えて便利になったと感じています。

個人的にも応援したい企業です。