中学受験の否定的側面とは?(瀬川松子「中学受験の失敗学」)
小学生の知力と体力
小学校も3年生になったあたりから、知力も体力も個人差が大きく広がってくる。授業参観に行ってみると、1、2年生の頃は、みんな一生懸命に手を挙げている光景を微笑ましく思っていたが、3、4年生ともなると、同じように手を挙げていても、指されたあとの発言内容のレベルにかなりの差を感じてしまうようになった。
運動会の思い出
体力だって同じだ。とくに運動能力は遺伝的なものが強くて、運動会の徒競走などを見ていれば一目瞭然である。このような素質に恵まれなかった私には楽しかった運動会の思い出はなく、能力の差は自分の体験からも実感できることだ。
ツカレ親とは
このように能力には歴然とした差があるのに、中学受験ともなると、親たちは子どもたちの努力と塾・家庭教師へのお金のかけ方次第でどうにかなると思ってしまうようだ。瀬川松子氏の「中学受験の失敗学」では、このような親のことを「ツカレ親」と呼んでいる。「憑かれ」と「疲れ」をかけているのだ。
中学受験の否定的側面
子どもの中学受験を考えるようになってから、関連書籍を何冊か読んでいるが、この本は正面から中学受験の否定的側面を取り上げている珍しい本である。父親のサポートも、我が子に対しては客観的な判断力を欠くとして、母親以上に始末が悪くなる可能性を指摘している。わが家も父親である私がサポートしようと思っているだけに、気をつけねばならない。
反面教師として
本書では、子どもにかけられるお金がたくさんある家庭など、そもそも自分とは住む世界が違う親の話が多いので、必ずしも当てはまらないという感想をもった。でも、反面教師として目を通しておいて損はない本だ。