経理のExcelは、SUMIFSとピボットテーブルで足りる。数字と文字列を区別しない合計と、集計のチェック

ピボットテーブルを初めて知ったときの驚きは、今もよく覚えています。

経理に来て間もないころでした。何時間もかけて手で集計していた表が、数回の操作でできあがる。その便利さは、計り知れないものでした。

経理のExcelで使う道具は、実はそれほど多くありません。私が今もいちばん頼りにしているのは、SUMIFSとピボットテーブルの二つです。

SUMIFSは、数字と文字列を区別しない

SUMIFSは、条件に合う行だけを合計する関数です。科目、部門、月のように、条件をいくつも重ねられます。

=SUMIFS(金額の列, 科目コードの列, B2, 部門の列, $A3, 月の列, C$1)

科目別・部門別・月別の集計表は、この一つの形で作れます。データを貼り替えれば、表が新しくなります。

SUMIFSを好んで使う理由は、数字と文字列を区別しないところです。

会計システムから出したデータでは、科目コードの入り方がそろいません。数字で入っていたり、文字で入っていたりします。見た目は同じ「5110」でも、Excelの中では別物です。

VLOOKUPやXLOOKUPで探すと、この違いで一致せず、エラーになります。条件が「5110」なら、SUMIFSは数字も文字も両方拾います。データの形を整える手間が、一つ減ります。

ピボットテーブルは、集計のチェックにかなうものがない

ピボットテーブルは、集計表を作ってくれる機能です。データの範囲を選び、行と列と値に項目を置くだけです。

集計のチェックに、これほど向いた道具はありません。手で組んだ集計表や、SUMIFSで作った表が合っているか。同じデータをピボットテーブルで集計して、合計を突き合わせます。範囲さえ間違えなければ、チェックでピボットテーブルにかなうものはありません。

もう一つの強みは、軸の置き換えがすぐにできることです。部門ごとの科目別の表を、科目ごとの月別の表に組み替える。行と列の項目を入れ替えるだけです。同じ数字を別の角度から見たいとき、作り直す必要がありません。

気をつけるのは、範囲だけ

ピボットテーブルで気をつけるのは、元のデータの範囲です。

データの行を足しても、範囲が古いままだと、足した行が集計に入りません。合計が合わないとき、まず範囲を疑います。元のデータを「テーブル」に変えておくと、行を足したとき範囲が自動で広がります。

ほかに、あると便利な関数

SUMIFSとピボットテーブルのほかに、経理でよく出てくる関数を挙げておきます。

関数 使いどころ
EOMONTH 日付から月末の日を出す。支払期日や締め日の計算に
XLOOKUP 取引先や科目のマスターから名前を引く。VLOOKUPより柔軟
IFERROR エラーのときに空白や「-」を出す。報告用の表を整えるときに
TEXT 日付を「2026年10月」のような形にそろえる

XLOOKUPを使うときは、さきほどの数字と文字列の違いに気をつけます。探す値と探される列の形がそろっていないと、見つかりません。

初めてのピボットテーブルの驚き

冒頭で、ピボットテーブルを初めて知ったときの驚きを書きました。

あの驚きは、慣れてしまうと忘れます。けれども、手で集計していたころを思い出すと、今も頼りにしている理由が分かります。経理に来たばかりの人がいたら、最初に教えたい道具です。