人工知能を使ったビールとチューハイはどんな味か?



サッポロが人工知能を使って、チューハイのスピード開発に着手している。

AIには過去に試した1200種類の配合や700種類の原料のデータを学習させ、風味などの特徴情報を付与している。

さらに同義語辞書も組み込んでおり、自由な文章で入力したコンセプトの狙いを読み取って、関連性のあるデータを参照する。企画から商品化決定までの時間を半分の2~3カ月に短縮することができるという。

例えば、「暑い季節に屋外で飲みたいサワー」のようなコンセプトを入力すると、AIは最大10個までの香味キーワードを加え、1200種類の配合から100通りの配合を提示する。

その中から、過去に発売した170種類の商品の中からベンチマークを選び、高中低の3段階でどの程度似せるかを指定する。

AIが原料や分量などを記載した配合表を100通り提案し、各配合表と入力情報との「マッチング度」も最大100点で算出される。理論上は1兆を超える組み合わせパターンが出せるという。

キリンも、ビールの配合を提案するAIを試験運用しているが、チューハイ分野では初めての試みである。

味の決め手は無数にある原料の組み合わせであり、AIとの相性はいい。この技術を用いることで、商品開発の大幅なスピードアップが目指されている。

市場分析、コンセプト立案、試作、さらに消費者調査や社内評価まで一般的に4~6カ月はかかるとされているが、AIを使うことでこの時間を半分にすることができるという。