USCPAの転職市場はこれからどうなるのか?
USCPAの注目度
私のサイトは「USCPA」という検索ワードで訪問している方が多いようです。
とくに最近増えてきていますので、それだけUSCPA試験の注目度が上がっているということかもしれません。
私が受験した2013~2014年とは、状況が変わりつつあるので、有用な情報提供ができないことを心苦しく思っています。
しかし、今回は参考になる記事を見つけたので紹介したいと思います。
アビタス通信
USCPA予備校大手のアビタスさんが季刊発行している冊子の「アビタス通信」です。
「アビタス通信」は無料でダウンロードできます。(URLは文末に記載)
この2016年10月号にアビタス代表であり、USCPA受験界の第一人者である三輪さんの寄稿文が掲載されています。
2017年4月からの試験制度の変更点とともに、USCPAホルダーの転職市場等の状況について書かれています。
私が読んでポイントだなと思った点は以下のとおりです。
USCPA試験と日本の公認会計士試験の違い
まず、なんといってもUSCPA試験は日本の公認会計士試験とは位置付けが異なるということです。
すでに試験を目指している方は知っていると思いますが、ほとんどの一般人には知られていないことです。
予備校責任者として、今後もどんどん周知してほしいと思います。
USCPA試験の受験者数
自分自身が受験しておきながら、受験者数について今まで気にしたことがありませんでした。
今回の記事で受験者数について書かれていたのでメモします。
2015年のUSCPA試験の全世界における受験者数は、約94千人。
そのうち、米国外での受験者が約9千人(9%)で、日本人がその中に約2千人(米国外での受験者の21%)含まれているということです。
参考までに、日本の公認会計士試験は、受験者数が約10千人です。USCPAと比較して約10分の1の規模ということになります。(単純に比較するべきではありませんが)
USCPA試験制度の変更点
2017年4月からの試験制度の変更点という点では、BECのTBS導入について触れています。
そして、USCPA試験は実務に対応した試験として”進化”し続けている試験であると表現しています。
この進化は、受験者にとっては厳しいものになるが、採用する企業にとっては朗報であるとのことです。
私としては採用する企業の側の視点からは考えていなかったので、なるほどなと思った次第です。
USCPAホルダーの転職市場
USCPA受験予備校の代表者である三輪さんらしい指摘ポイントは、今後の転職市場でUSCPAホルダーが増えるだろうという予測です。
前回の試験制度変更時には1、2割ほど受験者が増えたそうです。
今回も同じように「駆け込み受験」が増えているのでしょう。
そして、受験者が増えるということは合格者も増えていくはずで、2017年4月以降は転職市場にも変化がでるだろうという予想をしています。
しかし、私としては、「駆け込み受験」対応で気軽に合格できるほど簡単な試験ではないので、この予想には少し懐疑的です。
監査法人での採用が増加
この話の流れで、現在の監査法人による採用市場の変化についても書かれています。
ご存じの通り、日本の公認会計士試験は受験者数が低迷しています。
そんななか、アドバイザリー業務を拡大したい監査法人がUSCPA試験の科目合格者の採用を始めているようです。
なかには、採用後にUSCPAを取得することを前提とした新卒採用も行っているとのことです。
USCPAは日本の会計士の「代わり」ではない
しかし、この日本の公認会計士の「代わり」のような位置付けを、著者の三輪さんは歓迎していないようです。
文章にはっきりと書かれているわけではありませんが、私も同じ意見です。
もし日本の監査法人で働きたいなら、日本の公認会計士試験を目指すべきだと思います。
名前には同じ”会計士”とついていますが、著者がいうように位置付けがまったく異なります。
もしこれからUSCPA試験を目指すのであれば、その点をもう一度再考することをおすすめします。