建設仮勘定は本体で計上するか、税込か。仕入税額控除をいつ取るかで決まる

建設仮勘定に計上するとき、金額は本体か、税込か。

税抜経理をしている会社なら、ふつうは本体で計上し、消費税は仮払消費税に分けます。ところが、建設仮勘定では、そう単純にいかない支払いがあります。答えを分けるのは、その支払いの消費税を、いつ仕入税額控除するかです。

私はこれまで、長期の分割払いを除き、計上した時点で仕入税額控除してきました。その考え方を書きます。

原則は、課税仕入れをした日に控除する

消費税法基本通達11-3-6は、建設仮勘定について、次のように定めています。

完成前の工事のための課税仕入れを、建設仮勘定として経理した場合の定めです。その場合も、課税仕入れをした日の課税期間で、仕入税額控除をする。ただし、完成した日の課税期間の課税仕入れとしているなら、それも認める。

つまり、原則は計上したときに控除します。完成まで待って、まとめて控除することもできる、という定めです。

計上時に控除するなら、本体で計上する

計上した時点で控除するなら、その時点で課税仕入れとして扱っています。税抜経理なら、本体を建設仮勘定に、消費税を仮払消費税に分けて計上します。

私がこの方法をとってきたのは、控除の時期と、計上の時期をそろえておけるからです。設計の費用、資材の購入、出来上がった部分の工事代金。どれも、課税仕入れになったときに本体と消費税を分けておく。そうすれば、完成時には本体の金額を振り替えるだけで済みます。

前渡金は、まだ課税仕入れではない

ただし、建設仮勘定に入っているものが、すべて課税仕入れとは限りません。

課税仕入れをした日は、引渡しや役務の提供を受けた日です(通達11-3-1)。工事の請負なら、目的物の引渡しを受けた日になります。完成前に着手金や中間金として払ったお金は、まだ引渡しを受けていない前払いです。この段階では、課税仕入れになっていません。

長い工事で、代金を何回にも分けて先に払う場合が、これに当たります。この前払いは、税込の金額のまま建設仮勘定(または前渡金)に置いておきます。完成して引渡しを受けたときに、本体と消費税に分け、仕入税額控除します。

私が長期の分割払いを例外にしてきたのは、このためです。

計上の金額は、支払いの中身で決まる

整理すると、次のようになります。

支払いの中身 課税仕入れの時期 建設仮勘定に計上する金額
設計、資材の購入、出来上がった部分の工事 その引渡し・提供を受けたとき 本体(消費税は仮払消費税)
完成前の着手金・中間金などの前払い 目的物の引渡しを受けたとき 税込(完成時に本体と消費税に分ける)
完成時にまとめて控除する方法を選んだ場合 完成した日 税込で置き、完成時に分ける

同じ建設仮勘定でも、中身によって、本体のものと税込のものが混ざります。

建設仮勘定の明細で、税込のまま残っているものを見る

建設仮勘定を持っているなら、期末に、その明細を見てください。

税込のまま置いてあるものは、どれか。それは本当に、まだ引渡しを受けていない前払いか。課税仕入れなのに税込のまま残っているものがあれば、控除の時期を確かめ直します。