営業部が「意味わからん」と言った日、私の説明の何がダメだったか

新人のころ、営業部との合同ミーティングで完全にやらかしました。

「減価償却の影響でEBITDAがブレているため、EBIT基準でのコスト管理が——」と話し始めたら、営業部長に「ちょっと待って、日本語で話してもらえる?」と止められました。

あのときの沈黙、今でも覚えています。経理のミーティングは、相手によってまったく別のスキルが求められる——それを痛感した出来事でした。


経理ミーティングの特徴は「3つの相手」がいること

経理の仕事は、社内のあらゆる部門と関わり、社外の専門家とも連携します。つまり経理パーソンのミーティングには、大きく3種類の相手がいます。

  • 社内の経理メンバー同士
  • 社内の他部門(営業・人事・経営企画など)
  • 社外の税理士・会計士・監査法人

同じ「ミーティング」でも、それぞれで全然違う動き方が求められます。


社内の他部門とのミーティング——「翻訳」が仕事の7割

冒頭の失敗談の通り、他部門とのミーティングで経理の専門用語を使うのは、相手に外国語で話しかけているのと同じです。

私がやらかした後に変えたことは3つです。

① ミーティングの目的を事前に一言で伝える

「今日のゴールは、来期の経費予算の上限を一緒に決めることです」——これだけ最初に言うと、議論が脱線しなくなりました。目的が曖昧なまま始めると、「で、結局何を決めるの?」で時間を溶かします。

② 数字はグラフと「前月比」で見せる

「売上原価率が3.2%上昇しています」より、「先月より利益が100万円減っています」のほうが伝わります。つまり現場的には——数字は「変化」と「影響額」で語るのが他部門への最速の説明です。

③ 「経理としてできること」を提案する形で締める

他部門は経理に「答え」を求めているわけじゃなくて、「自分たちの仕事がどうなるか」を知りたいんです。「このコスト削減を進めると、来期の予算でこう変わります」という形で締めると、関係が一気に良くなりました。


税理士・会計士とのミーティング——準備8割、当日2割

社外の専門家とのミーティングは、準備の質で結果が変わります。

以前、税務調査対応の打ち合わせで、税理士に「で、何を聞きたいんですか?」と言われてしどろもどろになったことがあります。聞きたいことが整理できていなかったんです。

それ以来やっているのは、ミーティング前に質問リストをA4一枚にまとめて事前送付することです。これだけで、当日の議論の密度が全然違います。

専門家は時間単価が高い。聞きたいことを整理して臨むことは、相手へのリスペクトでもあります。

また、疑問点は「曖昧なまま持ち帰らない」ことも大事です。「たぶんこういう意味かな」で帰ってきて、後から「やっぱり違いました」となると二度手間です。その場で「つまりこういう理解でいいですか?」と確認する癖をつけてから、ミスが減りました。


社内経理チームのミーティング——「詰まってること」を言える場を作る

経理メンバー同士のミーティングは、情報共有と「詰まっていること」の吐き出し場所として機能させるのが理想です。

私がチームのミーティングで意識していることは一つ——全員が一言は発言する構造にすること。黙って聞いているだけのメンバーがいると、問題が見えなくなります。

「各自、今週一番気になっていることを30秒で」というルールを入れるだけで、普段は気づかない問題が出てくることがあります。


まとめ

✅ 他部門には「翻訳」が仕事——専門用語は使わない ✅ 数字は「変化」と「影響額」で語ると伝わる ✅ 税理士・会計士との打ち合わせは質問リストを事前送付 ✅ 曖昧なまま持ち帰らない、その場で確認する ✅ 社内ミーティングは全員が発言できる構造にする


以上、現場目線でまとめました。「うちのミーティングはこうやって改善した」という工夫があれば、ぜひコメントで教えてください。

完璧な処理より、ミスに気づける経理パーソンのほうが強い——そう思って今日も仕訳してます。