オリックスの「事業等のリスク」を読んでみた



参照した有価証券報告書

会社名:オリックス株式会社

事業年度:2018年3月期

提出日:2018年6月28日

「事業等のリスク」として記載している項目

項目名のみ抜粋。全文は本ページの下部に記載。

(1)経済環境など外部環境に関するリスク
① 世界経済の低迷による影響
② 他社との競争によりマーケットシェアや利益が減少するリスク
③ 風評による影響
④ 景気変動や政治情勢の混乱などによる影響
⑤ 予測不能な事象の影響
⑥ 大株主による株式処分の影響
(2)信用リスク
(3)ビジネスリスク
① 事業拡大やM&A、他社との合弁、提携などに関するリスク
② 資産価値変動に関するリスク
③ その他ビジネスに関するリスク
(4)市場リスク
① 金利および為替相場の変動に関するリスク
② デリバティブ取引に関するリスク
③ 株価および債券価格の変動に関するリスク
(5)流動性リスク(資金調達に関するリスク)
(6)コンプライアンスリスク
(7)法的リスク
① 法規制による影響
② 法令や会計基準などの制定や改正、変更による影響
(8)情報資産リスク
① 情報資産の紛失や漏洩のリスク
② システム障害等により損失を被るリスク
(9)オペレーショナルリスク
① 人的資源を確保できないことによる影響
② 財務報告にかかる内部統制の構築などに関するリスク
③ リスク管理が十分効果を発揮しないリスク
④ その他のオペレーショナルリスク

リスクの特徴

大項目で9個、より細分化すると、リスク項目が23個あります。

ほとんどが教科書的な内容で興味を持てるものがありませんでした。

しいていえば、「大株主による株式処分の影響」の記載でしょうか。

大株主による株式処分の影響

オリックスの大株主は、信託銀行、証券会社等の機関投資家がほとんどです。

株主の過半数が外国法人です。さすがに、NY市場に上場しているだけのことはあります。

そんな中で、三菱UFJ信託銀行株式会社、三菱UFJ国際投信株式会社、三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社の3社連名の大量保有報告書が提出されています。

持ち分比率は、合計で5.11%です。そこまでリスクに感じないのが正直なところです。

まとめ

オリックスの「事業等のリスク」は、分量が多い割には得るものが少ないという印象です。

確かにリスクではあるけど、わざわざ書くことなの?という項目が多いです。

入門者にも親切な記載とも言えますが、もっと重要性に応じて取捨選択した記載が望まれます。

全文

2【事業等のリスク】
当社が発行する有価証券への投資は、リスクを伴います。投資家の皆様は、以下に記載するリスクに限らず、オリックスグループの連結財務諸表およびその注記などあらゆる情報を慎重にご検討ください。オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績、そして当社の有価証券の価格は、以下およびその他の要因によって不利な影響を受ける可能性があります。また、リスクの顕在化により、直接金銭的損失が発生しなかったとしても、オリックスグループの評判に不利な影響が及ぶ可能性があります。本項には、不確定要素を伴う将来の予測に基づく記述もあります。よって、実際の結果は本項または本有価証券報告書の他の部分に記載されている要因のみならず、様々な要因によって予測とは異なることもあり得ます。なお、本項における将来に関する事項は、本有価証券報告書の提出日現在において判断したものです。

(1)経済環境など外部環境に関するリスク

① 世界経済の低迷による影響

オリックスグループの事業は、国内外の経済状況、財政状況などの影響を受けます。

世界経済は、米国が過去8年間で雇用・所得環境の改善を背景に堅調に推移し、その他地域でも安定的な成長が続いています。金利は世界的には引き続き低い水準にありますが、今後米国での利上げおよび欧州での金融緩和縮小が見込まれ、市場ではボラティリティの高まりが意識されています。また、一部地域の政治的・地政学的な緊張は引き続き注視する必要があります。

日本経済は、全体として穏やかな回復が続いています。

オリックスグループでは、リスク管理手法を不断に改善し、不安定な経済環境からの影響が最小限にとどまるよう努めていますが、今後、世界経済の混乱などが生じた場合には、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績に不利な影響が及ぶ可能性があります。

② 他社との競争によりマーケットシェアや利益が減少するリスク

オリックスグループは、価格設定、取引条件、取引の仕組み、サービスの品質等において、他社との競争にさらされています。

競合他社は、オリックスグループより原価や資金調達コストが低い、あるいは収益性を度外視した、顧客に有利な取引条件を提示する可能性があります。オリックスグループがこのような他社と競り合う場合、マーケットシェアが低下したり利益が減少する可能性があります。

③ 風評による影響

オリックスグループの事業は、顧客や市場関係者からの信頼を基盤としています。オリックスグループの活動や、関連する業界、取引先について否定的な評判が広まった場合、その内容が事実かどうかに関わらず、オリックスグループの評判や事業に対する信頼が低下する可能性があります。その場合、顧客や事業機会を失い、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績に不利な影響が及ぶ可能性や、当社の株価に不利な影響が及ぶ可能性があります。

④ 景気変動や政治情勢の混乱などによる影響

オリックスグループは日本のみならず、米国、アジア、大洋州、中東、欧州などにおいても事業を行っています。これらの国や地域およびこれらに影響を与える他の国々において、景気後退、商品市況の大幅変動、消費者需要の落ち込み、政治情勢の混乱などが生じた場合には、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績に不利な影響が及ぶ可能性があります。

⑤ 予測不能な事象の影響

予測不能な事象には、事故、戦争、暴動、テロなどの人的な事象や、地震、暴風雨、津波などの自然災害、火災や感染症の大流行などが含まれます。このような事象が発生した場合、市場価格が想定を超えて変動したり、特定の国や地域の経済状況が予期せず悪化したり、オリックスグループの役職員、事務所、設備、運営施設などに被害が発生する可能性があります。その結果、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績に不利な影響が及ぶ可能性があります。

⑥ 大株主による株式処分の影響

2017年6月28日から2018年6月28日までの間に、当社の株主のうち1社が金融商品取引法に基づく大量保有報告書を提出しており、その提出時点において当社の発行済株式総数の5%を超える株式を保有しています。当社の株主は、戦略上、投資上、またはその他の理由から、当社株式の保有割合を減少させる可能性があります。特にこのような大株主が株式を処分した場合、当社の株価に不利な影響が及ぶ可能性があります。

また、国内外の政治情勢や経済環境の変動によって外国人投資家が日本株式の保有割合を減らす場合、外国人持ち株比率が高い当社株式はその影響を受けやすく、当社の株価に不利な影響が及ぶ可能性があります。

(2)信用リスク

与信関係費用の増加

オリックスグループは、ファイナンス・リースおよび営業貸付金に対して貸倒引当金を計上していますが、この残高が、将来の貸倒損失を補填するのに十分であるという保証はありません。オリックスグループが事業を行っている国内外の経済環境が悪化した場合、もしくは特定の顧客、業界、市場が悪化した場合、現在の貸倒引当金では不十分となる可能性があります。

オリックスグループでは、常にポートフォリオ管理に努めていますが、景気動向などによっては、貸倒引当金の追加繰入が必要となる可能性があります。

また、金融、経済情勢の変化によって担保や中古物件の価値が下落した場合や、その他保全措置からの回収見込額が減少した場合に、その他の与信関係費用が増加する可能性があります。

このような場合、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績に不利な影響が及ぶ可能性があります。

(3)ビジネスリスク

① 事業拡大やM&A、他社との合弁、提携などに関するリスク

オリックスグループは、国内外で積極的に事業を拡大していますが、新たなリスクや複雑化したリスクに直面した場合、これらのリスクに十分に対応できず、予期しない多額の損失を被る可能性があります。また、事業や事業機会が想定どおり拡大しない場合や、他社との競争により収益性が損なわれる場合などは、期待した結果を得られない可能性もあります。

オリックスグループは、事業拡大の一環としてM&Aを実施することがありますが、買収後の収益が、買収時に見込んだ将来の予想収益を大幅に下回る場合、M&Aに伴い発生したのれん(営業権)等について、多額の減損処理が必要となる可能性があります。

オリックスグループの投資先の事業は多岐にわたっており、なかには金融サービス事業とは大きく異なっているものもあります。これらの事業が失敗すると、財務上の損失を被るだけではなく、将来の事業機会を失う、あるいは、当初期待した期間や価格で売却できない等の可能性があります。また、これら投資先の財政状態が悪化した場合、信用補完や追加投資などの財政支援が必要となる可能性もあります。

また、オリックスグループは、他社との合弁や提携などによる事業も行っています。これらの成否は、当該パートナーの事業遂行能力、財務の安定性、事業を取り巻く法的環境などに依存しますが、それらが悪化した場合、追加投資が必要となる、損失が発生する、さらには事業を中止せざるをえなくなる可能性があります。

このような場合、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績に不利な影響が及ぶ可能性があります。

② 資産価値変動に関するリスク

オリックスグループは、事業運営に必要な様々な資産を保有するとともに、国内外において、船舶、航空機、不動産などへの投資も行っています。これらの保有資産や投資資産の価格は変動するものであり、その価値は将来著しく下落する可能性があります。

保有資産や投資資産に評価損が生じた場合は、会計基準に準拠してその認識時点における公正価値に基づき計上されていますが、流動性の低下や欠如により、当該資産を売却した場合の損失は、必ずしもこれら評価損の範囲内に収まるとは限りません。

また、一部のリース取引においては、リース開始時にリース契約終了時の物件の残存価額を見積もります。リース物件の残存価額は、中古市場における時価、物件陳腐化の時期や度合いなどの想定に基づいて算出しますが、物件価格と中古市場のトレンドが想定と異なる場合、その見積額を回収できずに損失を被る、あるいは評価損の計上が必要になる可能性があります。

このような場合、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績に不利な影響が及ぶ可能性があります。

③ その他ビジネスに関するリスク

オリックスグループは、金融サービス事業をはじめとして、国内外で多種多様な事業を展開しています。

新たな事業へ参入した後の業績には様々な不確実性を伴うため、想定を超えるリスクが発生した場合、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績に不利な影響が及ぶ可能性があります。

(4)市場リスク

① 金利および為替相場の変動に関するリスク

オリックスグループの事業は、国内外の金利や為替相場の変動リスクにさらされています。

オリックスグループでは資産と負債の状況をモニタリングし、統合管理(ALM)を行っていますが、金利水準や為替の変動により影響を受ける可能性があります。

金利の急激な上昇もしくは上昇懸念時には、調達コストが上昇する一方で、ファイナンス・リースおよび営業貸付金などの新規取引において、市場金利の上昇に見合うリース料や貸付金利の引き上げを実現できない可能性があります。

貸付金利が変動金利の場合、金利の上昇時には、当該貸付に対する顧客の支払負担が増加し、顧客の支払能力や財政状態に悪影響が及ぶ可能性がある一方、金利の低下時には、営業貸付金の期限前弁済を促進させ、オリックスグループの資産が減少する可能性があり、金利水準の変動がオリックスグループの資産の信用状況や資産の構成に影響を与える可能性もあります。

オリックスグループは、外貨建ての営業取引や、海外投資に伴う為替リスクに対してすべての為替リスクをヘッジしているわけではありません。したがって、金利や為替の水準が大きく変動した場合、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績に不利な影響が及ぶ可能性があります。

② デリバティブ取引に関するリスク

オリックスグループは、主に投資資産の価格変動リスク、金利変動リスクおよび為替変動リスクをヘッジするために、デリバティブ取引を利用することがあります。しかしながら、ヘッジ対象資産の評価額の把握やデリバティブ取引の執行が適切に行われないことや、市場環境の急変により継続取引や反対取引が困難になり、意図した経済効果が得られない等、デリバティブ取引によるリスク管理が十分に機能しない可能性があります。また、デリバティブ取引の相手方が契約上の債務を履行できない可能性もあります。一方、当社の信用格付が引き下げられた場合は、既存のデリバティブ契約や、新規のデリバティブ取引に不利な影響が及ぶ可能性があります。

これらの場合、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績に不利な影響が及ぶ可能性があります。

③ 株価および債券価格の変動に関するリスク

オリックスグループは国内外において、上場、非上場の株式(持分法適用関連会社を含む)および債券への投資を行っています。これらの投資資産の価格は変動するものであり、その価値は将来著しく下落する可能性があります。価格の著しい下落があった場合、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績に不利な影響が及ぶ可能性があります。

(5)流動性リスク(資金調達に関するリスク)

流動性、資金の調達および格付に関するリスク

オリックスグループの主な資金調達方法は、銀行およびその他の金融機関からの借入、資本市場からの調達(例えば、社債およびミディアム・ターム・ノート、コマーシャル・ペーパー、リース債権や営業貸付金等の証券化)、ならびに預金などです。その中には、コマーシャル・ペーパーや一部の金融機関からの短期借入等の短期負債、および一年以内に返済予定の長期負債も相当額あります。コミットメントラインには、財務制限条項の遵守などの条件を含むものがあります。

オリックスグループにとって流動性リスクが増加することは、市場からの新規の資金調達や既存の調達資金の期日更新が困難になる、調達コストが上昇する、クレジット市場における価格変動の影響をより受けやすくなる、といった可能性が高まることを意味します。流動性の制限や、必要な資金を適正なコストで調達できなくなるなどの事態が発生した場合、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

また、当社は格付機関から信用格付を取得しています。当社の信用格付が引き下げられた場合、オリックスグループの金利負担が増加する可能性があります。コマーシャル・ペーパーや社債の発行コストの上昇、銀行からの借入コストの上昇や借入可能額の減少、エクイティ調達条件の悪化など、資金調達力に不利な影響が及ぶ可能性があり、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

(6)コンプライアンスリスク

法令や社内規程を逸脱するリスク

オリックスグループでは、法令や社内規程を遵守するため、コンプライアンス態勢を構築し、コンプライアンスプログラムを実施するなど、コンプライアンスの徹底を図っていますが、こうした対策が必ずしも有効に機能するとは限りません。また、オリックスグループの事業は広範囲に及んでおり、新規事業への進出やM&Aなどによる事業の拡大に伴い、内部統制が適切に働かなくなる可能性があります。このような場合、オリックスグループ(役職員を含む)が制裁や罰則の適用を受けることがあり、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績ならびに評判に不利な影響が及ぶ可能性があります。

(7)法的リスク

① 法規制による影響

オリックスグループは、国内の事業活動においては、会社法、金融商品取引法、独占禁止法、個人情報保護法など一般に適用される法令のほかに、貸金業法、割賦販売法、保険業法、銀行法、信託業法、宅建業法、建築基準法など業態ごとに適用される法令の規制や、さらには事業種別に応じて規制当局の監督を受けています。

また、海外での事業活動においては、それぞれの国、地域における法令などの適用および規制当局の監督を受けています。例えば、米国証券取引法による規制や、米国愛国者法によるテロ支援国家との取引の禁止または制限、連邦海外腐敗行為防止法による外国公務員に対する贈賄行為の禁止などがあります。

国内外で規制当局の監督を受ける各会社において、事業活動の制限や営業の全部または一部の停止、免許の取り消し等の行政処分を課された場合、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績に不利な影響が及ぶ可能性があります。

さらに、オリックスグループの事業に関連して提訴されたり、規制当局などの調査対象となった場合、法令違反の事実の有無に関わらず、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績に不利な影響が及ぶ可能性があります。

② 法令や会計基準などの制定や改正、変更による影響

法令、規則などの制定や改正、変更が行われた場合、オリックスグループの各事業の遂行方法や、商品やサービス、またはオリックスグループの投資先や融資先、資金の調達先に悪影響を及ぼす可能性があります。また、これらの制定や改正、変更に対処する費用が増大する可能性があります。

会計基準の制定や改正、変更が行われた場合は、オリックスグループの収益性や財務の健全性に変わりはなくても、関連業界、取引先や金融市場にネガティブな影響が及ぶ可能性があります。その結果、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績に不利な影響が及ぶ可能性があります。

(8)情報資産リスク

① 情報資産の紛失や漏洩のリスク

オリックスグループは、個人情報を含む顧客情報およびオリックスグループの財務情報や人事情報など、様々な情報資産を保有しています。これらの情報資産を適切に管理するため、社内規程の制定や役職員への教育などを実施しています。また、サイバー攻撃対策としてネットワーク防御等の技術的施策も実施しています。しかし、これらの対策が必ずしも有効に機能するとは限らず、情報資産を滅失、毀損あるいは漏洩する可能性があります。

このような場合、オリックスグループが関連法令による罰則を受けたり、損害賠償請求を受けるだけでなく、顧客やマーケットの信頼を失い、オリックスグループの評判が悪化するなど、事業活動や財政状態、経営成績に不利な影響が及ぶ可能性があります。

② システム障害等により損失を被るリスク

オリックスグループは、事業の意思決定やリスク管理の一環として、財務取引や個人情報の管理、事業のモニタリングおよび業務処理を行うにあたり、情報システムを活用しています。また、これらの業務処理を外部へ委託することもあります。

このようなシステムは、停止や誤作動などの不測の事態、役職員や外部委託先、第三者による誤操作や不正行為、コンピューターウィルスによる攻撃、ハッキング、不正アクセス、その他サイバーテロや、大規模自然災害などが発生した場合、入出金に関する障害の発生など業務活動へ悪影響が生じたり、機密情報や個人情報が漏洩、滅失または毀損する可能性があります。また、事業の意思決定やリスク管理に利用する情報が誤っていたり、顧客に提供しているサービスが中断したり、企業活動そのものが中断したりする可能性もあります。このような場合、オリックスグループの資金の流動性、あるいはオリックスグループからの資金調達や支払に依拠している顧客の資金の流動性への悪影響が生じる可能性もあります。

さらに、事業を復旧させるのに多額の費用が必要となる、または、関連法令に違反するとして罰則を受けたり、損害賠償の対象となる可能性があり、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績に不利な影響が及ぶ可能性があります。

(9)オペレーショナルリスク

① 人的資源を確保できないことによる影響

オリックスグループの事業では、国内外の市場で他社と競争し成功するため、多様な人的資源を安定的に確保する必要があります。オリックスグループが必要な人材を育成または雇用できない場合や、雇用している人材が退職した場合、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績に不利な影響が及ぶ可能性があります。

② 財務報告にかかる内部統制の構築などに関するリスク

当社は、法令などの遵守のために、財務報告にかかる内部統制の構築とその評価に注力していますが、当社の内部統制部門や当社の会計監査人が当社の財務報告にかかる内部統制について重要な欠陥を指摘し、財務報告にかかる内部統制が有効でないと報告する可能性があります。このような事態が発生した場合、当社の財務報告に関する投資家の信頼低下などにより、当社の株価が下落し、オリックスグループの評判が悪化するなど、事業活動や財政状態、経営成績に不利な影響が及ぶ可能性があります。

③ リスク管理が十分効果を発揮しないリスク

オリックスグループは、リスク管理の強化に注力していますが、事業が急速に拡大したり、外部環境が大きく変化した場合、リスク管理が十分な効果を発揮しない可能性があります。その結果、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績に不利な影響が及ぶ可能性があります。

④ その他のオペレーショナルリスク

オリックスグループの多様な業務の遂行には、様々なオペレーショナルリスクが伴います。例えば、不適切な販売行為や顧客クレームへの対応不備、社内での重要情報の共有不足、役職員、代理店、フランチャイジー、取引先、外部委託先および第三者による不正行為、資金決済事務におけるミス、または、労務管理および職場環境での問題発生などのリスクが考えられます。

また、新たに商品やサービスを提供する際に、業務を適切に処理する態勢とオペレーションを遂行する能力が求められますが、それが不備または不足していた場合は、マーケットや顧客からの信頼を損ない、収益の悪化や事業の撤退に繋がる可能性があります。

オリックスグループの経営陣は、オペレーショナルリスクを管理し、適正と考える水準を維持するように努めていますが、こうした対策が必ずしも有効に機能するとは限りません。このようなリスクが顕在化した場合には、オリックスグループの事業活動や財政状態、経営成績に不利な影響が及ぶ可能性があります。