IPO市場別の上場審査基準は?



上場審査基準

上場審査基準とは、上場申請を審査するために各証券取引所が設けた基準です。

上場審査基準には、形式基準と実質基準の2種類があります。

形式基準

形式基準とは、上場申請会社が満たすべき数値的な要件のことで、株主数や流通株式数、純資産額や利益額などが該当します。

形式基準は、上場市場によって異なりますが、例えば東京証券取引所のプライム市場への新規上場の場合、以下のような形式基準があります。

1.株主数(上場時見込み):800人以上

当然ですが、上場申請をする時点では、株主数が少ないことがほとんどです。したがって、株主数は、上場申請日から上場日の前日までの期間で、「上場時公募・売出」を行い、上場基準を達成するということになります。

2.流通株式:流通株式数 20,000単位以上、

流通株式とは、発行済株式総数から「流通性の乏しい株式」を差し引いた株式のことです。たとえば、会社の役員やその親族が保有している株式や大株主が保有している株式は、通常はそのまま保有され続けるため、市場には流通しません。そのような株式を除外したものが、流通株式になります。

3.流通株式比率:35%以上

流通株式数を、発行済株式総数除して算出します。

4.流通株式時価総額:100億円以上

5.時価総額:250億円以上

6.事業継続年数:3年以上

7.純資産の額(上場時見込み):連結純資産の額が 50億円以上(かつ、単体純資産の額が負でないこと)

8.利益の額又は売上高:最近2年間の利益の額の総額が 25億円以上であること、または最近1年間における売上高が 100億円以上である場合で、かつ、時価総額が 1,000億円以上となる見込みのあること

形式基準に加えて、実質基準というものもあります。

実質基準

実質基準とは、上場申請会社の企業内容や経営状況を総合的に判断するための要件のことで、企業の継続性や収益性、経営の健全性、コーポレート・ガバナンスや内部管理体制の有効性、開示の適正性などが該当します。

実質基準は、各証券取引所が個別に審査するため、具体的な内容や評価方法は公開されていません。