「国産ワイン」の何が問題だったのか?(ワインのラベル表示のルール)

「国産ワイン」の問題

「国産ワイン」と呼ばれていたものには、国産ぶどうを原料とした「日本ワイン」のほか、輸入濃縮果汁や輸入ワインを原料としたものが混在していました。

問題は、後者のワインです。

輸入濃縮果汁や輸入ワインを原料としながらも、日本国内で醸造したという点をもって「国産ワイン」と呼称していたからです。

また、「日本ワイン」と言いつつも、輸入濃縮果汁や輸入ワインを原料の一部に使っていたものがありました。

牛肉の世界と比べると分かりやすいです。牛肉では「和牛」「国産牛」「輸入牛」と3つに分類されています。和牛と国産牛の区分が曖昧になっていたというわけです。

ワインのラベル表示ルール

日本国は、2015年 10 月 30 日に酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律第 86 条の6第1項の規定に基づく「果実酒等の製法品質表示基準」を定めました。

表示基準の適用開始の日は2018年 10 月 30 日と迫ってきたこともあり、メディアでも話題になってきました。

この表示基準は、日本国が定める初めてのワインのラベル表示のルールとなります。

なお、ヨーロッパ連合(EU)に加盟しているワイン生産国においては、2009年8月新たなワイン法の規定が発令され、新しい法律に基づき、ラベルの記載などの改訂が行われています。

日本ワイン、国内製造ワイン、輸入ワイン

覚えるべきは、以下の3つの呼び方です。

①「日本ワイン」 :国産ぶどうのみを原料とし、日本国内で製造された果実酒をいいます。

②「国内製造ワイン」:日本ワインを含む、日本国内で製造された果実酒及び甘味果実酒をいいます。

③「輸入ワイン」 :海外から輸入された果実酒及び甘味果実酒をいいます。

「日本ワイン」が高騰する?

これからは、国産のぶどうだけを使ったものが「日本ワイン」と呼べるようになります。

しかし、国産のぶどうは限られており、年々生産量が減っています。

なぜなら、高齢化でぶどう農家が減っているからです。

したがって、「日本ワイン」は希少な存在になり、値段が高くなると予想されます。

あとがき

週刊ビッグコミックスピリッツ連載中の「二月の勝者」という漫画を知っていますか?

中学受験の進学塾講師を主人公にした漫画で、そのリアルさが評判を呼んでいます。NHKでも取りあげられたそうです。

といいながらも、私がその存在を知ったのも今日です。

単行本がすでに3巻まで発売中ですが、面白くて一気読みしてしまいました。